2008年 03月 01日
勝つと云ふ事Ⅱ |
2月24日開催の幸田サーキットレンタルカート耐久シリーズ第2戦で、ロストボーイズAチームは念願の初優勝を果たす事が出来ました。
応援いただきました皆様、本当にありがとうございました!
【以下よりいつもの様な「言い切り口調」になります・・・・】
奇しくも昨年の3月1日に「勝つと云ふ事」と言うタイトルでのエントリーをアップしていた事を思い出した。
大昔にレース活動を止めてから、この先人生で「優勝」なんて体験が出来るとは考えてもいなかった。
2006年の11月よりレンタルカートでのレースを開始し、2007年の9月にスプリントレースで優勝出来た。
それ以降の僕は、耐久レースでの勝利を渇望していたし、毎戦「勝つ気」で走っていたのも事実だ。
勝てるドライバー編成、勝てる戦略、勝つ為のモチベーション・・・・
全てが揃っていても、それを達成する為のロジックが崩れればリザルトは伴わない。
そんな悔しい思いを最近は繰り返していた。
↑で「モチベーション」と言う要素を書きましたが、昔あるレース雑誌で読んだ、GP500クラスチャンピオンの一人M・ドゥーハン選手のインタビューを思い出した。
M・ドゥーハン選手は、最高峰のレースで5年連続チャンピオン獲得と言う偉業を達成しており、近代GP史でのレジェンドの一人でもあります。
氏は、モチベーションの同義語として「デタミネーション」と言う言葉を多用していました。
意味合いとしては、モチベーション=動機、やる気の原動力と考えますが、デタミネーションはそのもう1ランク上の「決意」だとか「覚悟」の様な意味合いを含む言葉だと記事中で解説されていました(確かそのときの通訳は富樫ヨーコさんだったと記憶しています・・・)。
そうだ、モチベーションで駄目なら、デタミネーションで挑むのだ・・・・
そんな事を思い出しつつ今回のレースを振り返ってみようと思う・・・・
カッチョいい写真の提供は「とらちゃん」いつもありがとうございます!
当日の応援は、クーパーさん。いつもありがとうございます!
そして毎度お世話になる幸田サーキットの皆様ありがとうございます!
そしてレースそのものについては「ロストボーイズ戦いの記録」が明るいのでそちらを参照下さい。
今回のチームは「BPさん」「PANDAさん」「yuujiさん」「僕」と言う編成。
Kazu監督不在につき、ロストボーイズAでのエントリーとなる。
監督不在のレースにつき戦略面での介入はせず、走る事にだけ集中しようと考える事にした。
【レース当日】
↑こうやって見ると「Aコーナー」って大きなコーナーなんですよね・・・・(コレ見て今のライン取りが変わる人も多いんじゃないでしょうか)
当日現場入りすると凄まじい風が吹いていた。
風向きはコース最長となる裏ストレートでは完全逆風となる、スリップが使えない単独走行でのタイム構築は難しそうな予感。
決勝スタートドライバーを任命された僕は、レースシミュレーションの為、予選第一出走者にさせてもらった。
凄まじく路面温度が低く、3周アタックでのタイムは57秒台。
それでも暫くの間はこのタイムがリーダーボードのTOP2なっていた事から、スタート直後のタイヤ冷間時にドライビングミスが少ないチームがレースをリードすると考えた。
以後LBメンバー含め、56~55秒台へラップタイムが向上、予選でのラップ目標を55秒台中盤から前半に設定した。
チームメンバー全員が2回目のアタックを終了してからの残り時間を任せて頂けるとの事だったので、ラストアタックを敢行。(2コーナーの立ち上がり時に極少なくリアスライドをさせてしまった物の)55.602secまでタイムを縮める事に成功した。予選結果は2位。
決勝車両の抽選によって引き当てられた号車は6号車、予選トップタイムを刻んだマシンだ。
しかし!
シート合わせとかやらんとアカンな~と思ってたら・・・・「スタート2分前!」のアナウンスが(爆)
大急ぎでポジション調整をしてコースイン。
実はこの時、僕が何分走るか等の戦略指示は一切なかったのだ(爆)
【決勝レース】
戦略通達の無いままグリッドに着く。
「予選2位」このスタート位置、嫌いではない。
プラットフォームが近い(笑)、2コーナー進入時のアウトラインが自然に選べる等僕目線でのメリットが多い。否が応でも期待が高まる・・・・
スタート練習時のクラッチインタイミングは悪くなかったので、序盤からイケるかも・・・・なんて考えつつスタートを待つ。
○△さんの持つフラッグが振り下ろされスタート。
幸い1位の号車よりも良いスタートが切れ、裏のストレートまでで1位を奪取する事に成功した。
ココから10周目までで勝負が決まると考えていた僕は、とにかく丁寧なドライビングを心がける。 ↑ちょっと見難いけど、38周目(爆)までが僕のスティント・・・・いったい何分走らせるんやろって思ってました(笑)
【丁寧なドライビングって聞いて、「おとなしい」「スローな操作」ってイメージする人が多いんじゃないでしょうか?僕も昔はそうでした。今の僕が考える「丁寧なドライビング」とは「操作スピード」や「操作量」の事ではなく、操作し始めの繊細さの事なのです。その部分をイメージすると、スタート直後、ウェット路面でのドライビングに対しての苦手意識や恐怖感が凄まじく減少します。】
飛び出した僕は、暫く後ろを見ない事にした。
後ろの選手に精神的優位を与えたくなかった事、僕自身も走りに集中したかった事が大きな要因だ。
数周が過ぎ、ヘアピンなどの立ち上がりで後続が視界に入る様になってきた。
幸いな事に2位3位が集団を形成し、バトル状態になっている!
少し安心したが、タイムを見ていると、さほどラップダウンはしていない(汗)
こっちがミスればあっと言う間に追いつかれるリードでしかない・・・・
コチラのタイムが安定して来た頃1-2コーナーでのタイヤスライドが顕著に現れてきた。
決勝中ではあるが、あと何分走るか分からない(爆)状況なので、更に安定してラップを構築できるラインを探す事にした。
1-2コーナーのライン、それに伴う通過速度の良し悪しでラップタイムが0.3secは変わるというのが僕の持論だ。
しかしいつまで走らせるんやろう・・・・
プラットホーム見ても、チームメイト達には何のリアクションも無い・・・・
「無視されている感」が高まってきて気持ちよくなって来た(爆)
そんな事は置いといて・・・
数種類のパターンをトライしていて、右手の握力が低下している事に気付いた(汗)
今まで極端なフィジカルコンディションの低下を感じたことは無かったのだが・・・・・
僕はスタート前にストレッチを必ず行うのだが、今回はそんなに時間が無かったので、いつもどおりの準備が出来なかった事が原因なのだろうか・・・・
しかし、その握力低下が功を奏して、ステアリングを多く切らなくてもクリア出来る良いラインが見つかったのだ!
後は型にはめてラップをこなすだけなので、全く負担無くスティントをクリア出来たと自己評価する・・・・・
でも、その集中力発揮に貢献したのは、チームメイトたちの「放置プレイ」だった事は言うまでも無い(爆)
そして35分以上にわたる僕のパートが終了した。
僕のバトンを受け取ってくれたのはPANDAさん。
そしてその後の顛末は皆様ご承知の通りでございます・・・・・
【今回は僕から見た、それぞれのドライバーの印象を語ってみたいと思います】
(失礼は承知ですが、あくまでも僕から見た「選手としての特性」を書きますので、お気を悪くなさらないで下さい:汗)
第2ドライバー
「リカルド・PANDAマン」
集中すると誰よりも凄まじい能力を発揮する選手。
今回もコースイン直後から凄まじいラップをはじめるも・・・・
背中のマットが飛び出てきて・・・ マットサインを確認した瞬間にタイムが・・・・(爆)
あと、セレクトした号車のコンディションが自分に合わない時も・・・・(以下略)
しかし、凄いとこ走ってます(汗)
そして誰がなんと言おうと今回の編成中、一番精神面でタフな選手だと思う(爆)
第3ドライバー
「BP・アレジ」
頭脳&体の連携にセンスの良さを感じる選手。
経験に伴う情報の蓄積量は最大の武器。
精神的に優位に立っている時には大胆な駆け引きを仕掛けてくる怖さを持つ。
しかし、マシン的、精神的に不利な状態でのレース運びには、若干の脆さが見える時がある。
新しいラインの習得や、最新の成功体験を過去の成功体験に上書きできる柔軟性が備われば更に恐ろしいライバルになると思う(今でも結構怖い)。
第4ドライバー
「デーモン・ゆーじ」
感覚派を自称しているが、僕から見れば明らかに頭脳派。
頭のよさを隠し、きっちり計算どおりに落としてくる・・・・こう言う選手が一番「食えない」(笑)
トラックの情報や、テクニック的情報を積極的に集めるが、あくまでも自分の基準で取捨選択出来ているところがその証拠。
イイ意味でのアホさが加われば、もっと怖い選手になる(笑)
ゆーじさんと横に並んでコーナーに飛び込みたくはないな・・・・・
こんな選手達で挑んだレース。
最終的に勝利する事が出来たのは、誰一人として「勝てるのかな?」とか「上手く行けば勝てる」等と言った中途半端な気持ちで戦った者がいなかった・・・・・って事が引き寄せた結果だったと思うのです。
↑この状態では全員コンビニに入れませんね(爆)
そして次戦の結果は・・・・とても興味深いですね(笑)
【ヲマケ】
帰りの「第二名神」も過酷でした。氷点下です。 積雪してます
応援いただきました皆様、本当にありがとうございました!
【以下よりいつもの様な「言い切り口調」になります・・・・】
奇しくも昨年の3月1日に「勝つと云ふ事」と言うタイトルでのエントリーをアップしていた事を思い出した。
大昔にレース活動を止めてから、この先人生で「優勝」なんて体験が出来るとは考えてもいなかった。
2006年の11月よりレンタルカートでのレースを開始し、2007年の9月にスプリントレースで優勝出来た。
それ以降の僕は、耐久レースでの勝利を渇望していたし、毎戦「勝つ気」で走っていたのも事実だ。
勝てるドライバー編成、勝てる戦略、勝つ為のモチベーション・・・・
全てが揃っていても、それを達成する為のロジックが崩れればリザルトは伴わない。
そんな悔しい思いを最近は繰り返していた。
↑で「モチベーション」と言う要素を書きましたが、昔あるレース雑誌で読んだ、GP500クラスチャンピオンの一人M・ドゥーハン選手のインタビューを思い出した。
M・ドゥーハン選手は、最高峰のレースで5年連続チャンピオン獲得と言う偉業を達成しており、近代GP史でのレジェンドの一人でもあります。
氏は、モチベーションの同義語として「デタミネーション」と言う言葉を多用していました。
意味合いとしては、モチベーション=動機、やる気の原動力と考えますが、デタミネーションはそのもう1ランク上の「決意」だとか「覚悟」の様な意味合いを含む言葉だと記事中で解説されていました(確かそのときの通訳は富樫ヨーコさんだったと記憶しています・・・)。
そうだ、モチベーションで駄目なら、デタミネーションで挑むのだ・・・・
そんな事を思い出しつつ今回のレースを振り返ってみようと思う・・・・
カッチョいい写真の提供は「とらちゃん」いつもありがとうございます!
当日の応援は、クーパーさん。いつもありがとうございます!
そして毎度お世話になる幸田サーキットの皆様ありがとうございます!
そしてレースそのものについては「ロストボーイズ戦いの記録」が明るいのでそちらを参照下さい。
今回のチームは「BPさん」「PANDAさん」「yuujiさん」「僕」と言う編成。
Kazu監督不在につき、ロストボーイズAでのエントリーとなる。
監督不在のレースにつき戦略面での介入はせず、走る事にだけ集中しようと考える事にした。
【レース当日】
当日現場入りすると凄まじい風が吹いていた。
風向きはコース最長となる裏ストレートでは完全逆風となる、スリップが使えない単独走行でのタイム構築は難しそうな予感。
決勝スタートドライバーを任命された僕は、レースシミュレーションの為、予選第一出走者にさせてもらった。
凄まじく路面温度が低く、3周アタックでのタイムは57秒台。
それでも暫くの間はこのタイムがリーダーボードのTOP2なっていた事から、スタート直後のタイヤ冷間時にドライビングミスが少ないチームがレースをリードすると考えた。
以後LBメンバー含め、56~55秒台へラップタイムが向上、予選でのラップ目標を55秒台中盤から前半に設定した。
チームメンバー全員が2回目のアタックを終了してからの残り時間を任せて頂けるとの事だったので、ラストアタックを敢行。(2コーナーの立ち上がり時に極少なくリアスライドをさせてしまった物の)55.602secまでタイムを縮める事に成功した。予選結果は2位。
決勝車両の抽選によって引き当てられた号車は6号車、予選トップタイムを刻んだマシンだ。
しかし!
シート合わせとかやらんとアカンな~と思ってたら・・・・「スタート2分前!」のアナウンスが(爆)
大急ぎでポジション調整をしてコースイン。
実はこの時、僕が何分走るか等の戦略指示は一切なかったのだ(爆)
【決勝レース】
戦略通達の無いままグリッドに着く。
「予選2位」このスタート位置、嫌いではない。
プラットフォームが近い(笑)、2コーナー進入時のアウトラインが自然に選べる等僕目線でのメリットが多い。否が応でも期待が高まる・・・・
スタート練習時のクラッチインタイミングは悪くなかったので、序盤からイケるかも・・・・なんて考えつつスタートを待つ。
○△さんの持つフラッグが振り下ろされスタート。
幸い1位の号車よりも良いスタートが切れ、裏のストレートまでで1位を奪取する事に成功した。
ココから10周目までで勝負が決まると考えていた僕は、とにかく丁寧なドライビングを心がける。
【丁寧なドライビングって聞いて、「おとなしい」「スローな操作」ってイメージする人が多いんじゃないでしょうか?僕も昔はそうでした。今の僕が考える「丁寧なドライビング」とは「操作スピード」や「操作量」の事ではなく、操作し始めの繊細さの事なのです。その部分をイメージすると、スタート直後、ウェット路面でのドライビングに対しての苦手意識や恐怖感が凄まじく減少します。】
飛び出した僕は、暫く後ろを見ない事にした。
後ろの選手に精神的優位を与えたくなかった事、僕自身も走りに集中したかった事が大きな要因だ。
数周が過ぎ、ヘアピンなどの立ち上がりで後続が視界に入る様になってきた。
幸いな事に2位3位が集団を形成し、バトル状態になっている!
少し安心したが、タイムを見ていると、さほどラップダウンはしていない(汗)
こっちがミスればあっと言う間に追いつかれるリードでしかない・・・・
コチラのタイムが安定して来た頃1-2コーナーでのタイヤスライドが顕著に現れてきた。
決勝中ではあるが、あと何分走るか分からない(爆)状況なので、更に安定してラップを構築できるラインを探す事にした。
しかしいつまで走らせるんやろう・・・・
プラットホーム見ても、チームメイト達には何のリアクションも無い・・・・
「無視されている感」が高まってきて気持ちよくなって来た(爆)
そんな事は置いといて・・・
数種類のパターンをトライしていて、右手の握力が低下している事に気付いた(汗)
今まで極端なフィジカルコンディションの低下を感じたことは無かったのだが・・・・・
僕はスタート前にストレッチを必ず行うのだが、今回はそんなに時間が無かったので、いつもどおりの準備が出来なかった事が原因なのだろうか・・・・
しかし、その握力低下が功を奏して、ステアリングを多く切らなくてもクリア出来る良いラインが見つかったのだ!
後は型にはめてラップをこなすだけなので、全く負担無くスティントをクリア出来たと自己評価する・・・・・
でも、その集中力発揮に貢献したのは、チームメイトたちの「放置プレイ」だった事は言うまでも無い(爆)
そして35分以上にわたる僕のパートが終了した。
僕のバトンを受け取ってくれたのはPANDAさん。
そしてその後の顛末は皆様ご承知の通りでございます・・・・・
【今回は僕から見た、それぞれのドライバーの印象を語ってみたいと思います】
(失礼は承知ですが、あくまでも僕から見た「選手としての特性」を書きますので、お気を悪くなさらないで下さい:汗)
第2ドライバー
「リカルド・PANDAマン」
集中すると誰よりも凄まじい能力を発揮する選手。
今回もコースイン直後から凄まじいラップをはじめるも・・・・
背中のマットが飛び出てきて・・・
あと、セレクトした号車のコンディションが自分に合わない時も・・・・(以下略)
そして誰がなんと言おうと今回の編成中、一番精神面でタフな選手だと思う(爆)
第3ドライバー
「BP・アレジ」
頭脳&体の連携にセンスの良さを感じる選手。
経験に伴う情報の蓄積量は最大の武器。
しかし、マシン的、精神的に不利な状態でのレース運びには、若干の脆さが見える時がある。
新しいラインの習得や、最新の成功体験を過去の成功体験に上書きできる柔軟性が備われば更に恐ろしいライバルになると思う(今でも結構怖い)。
第4ドライバー
「デーモン・ゆーじ」
感覚派を自称しているが、僕から見れば明らかに頭脳派。
頭のよさを隠し、きっちり計算どおりに落としてくる・・・・こう言う選手が一番「食えない」(笑)
トラックの情報や、テクニック的情報を積極的に集めるが、あくまでも自分の基準で取捨選択出来ているところがその証拠。
イイ意味でのアホさが加われば、もっと怖い選手になる(笑)
ゆーじさんと横に並んでコーナーに飛び込みたくはないな・・・・・
こんな選手達で挑んだレース。
最終的に勝利する事が出来たのは、誰一人として「勝てるのかな?」とか「上手く行けば勝てる」等と言った中途半端な気持ちで戦った者がいなかった・・・・・って事が引き寄せた結果だったと思うのです。
そして次戦の結果は・・・・とても興味深いですね(笑)
【ヲマケ】
帰りの「第二名神」も過酷でした。氷点下です。
by j-p-m
| 2008-03-01 13:21
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